日本海水学会誌
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2-ヒドロキシフェニルエチルケトンオキシム含浸トリ酢酸セルロースを用いた海水中の銅 (II) の比色定量
小嶋 健博曽和 孝之重富 康正山本 勇麓
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1989 年 42 巻 6 号 p. 293-297

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抄録
2-ヒドロキシフェニルエチルケトンオキシム含有トリ酢酸セルロース (HPEKO-TAC) 粉体を用いて海水中の銅 (II) を前濃縮後, バソクプロインスルホン酸ナトリウムで比色定量する方法を要約すると;
1) 海水1lにHPEKO-TAC粉体2gを加えてバッチ法にて20時間かくはんすると銅 (II) は定量的に吸着する.
2) 海水と分離濾別した吸着剤を100ml三角フラスコに移し, 脱着剤として0.5M塩酸溶液20mlを加えて恒温水槽中で30分振り混ぜれば定量的に銅 (II) を脱着できる.
3) この脱着液を30mlビーカーこ入れホットプレート上で蒸発濃縮し, 10mlメスフラスコに移し, バソクプロインスルホン酸ナトリウムを比色試薬として発色後, ブランク対照に波長478nmで吸光度を測定する.
4) 本法で海水中の銅 (II) を定量した結果2.2±0.27ppbであった.
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