日本海水学会誌
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8-ヒドロキシキノリン-5-スルホン酸蛍光法による海塩中のアルミニウムの定量
深沢 力川久保 進山本 修司
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1990 年 44 巻 5 号 p. 334-340

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抄録

約0.4gの検塩を23mlテフロン高圧加熱分解容器 (UNI-SEAL) 中で120℃で30分間, 6M塩酸8mlで溶解した. 検液中に不溶解残渣が認められる場合は遠心分離し, フッ化水素酸と硫酸を用いて分解し不溶性アルミニウム定量用の検液とした. それぞれの検液に酢酸アンモニウム溶液を加えてpH4.5に調節し, アスコルビン酸と8-ヒドロキシキノリン-5-スルホン酸を加えて蛍光強度を測定し可溶性と不溶性アルミニウムを分けて簡便に再現性よく定量できた. 約0.2ppmまでのアルミニウムが塩化ナトリウム共存のまま定量できる. 塩化ナトリウム濃度, 共存元素の影響とマスキング, 試料分解法などを検討するとともに, アルミニウムのみならずほかの微量成分も必要に応じて, 可溶性, 不溶性に分けて定量すべきことを述べた. また, 中国塩, 並塩, 天日塩の分析例を示した.

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