日本海水学会誌
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沖縄島, 宮古島, 石垣島および西表島のマングローブ水域における魚類相
立原 一憲中尾 耕平徳永 桂史津波古 優子高田 未来美下瀬 環
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2003 年 57 巻 6 号 p. 481-490

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抄録
2000~2002年8月に沖縄島 (慶佐次川), 宮古島 (島尻川), 石垣島 (名蔵川) および西表島 (浦内川) のマングローブ水域で魚類相の調査を行った. その結果, 4水域合計で13目47科104属155種, 5,747個体の魚類が採集された. 種数は北から南に向け, 周辺海域の魚類相を反映して増加する傾向が認められた (慶佐次川: 55種, 島尻川: 63種, 名蔵川: 81種, 浦内川: 97種). いずれの水域も種数が多いにもかかわらず, 上位数種の個体数が全体の50~80%を占め, 最も多様性に富んだ分類群はハゼ科であった (計50種). 沖縄のマングローブ水域の魚類相は, 河川規模が比較的小さいにもかかわらず多様性に富み, アフリカ, オーストラリア, 東南アジアなど熱帯域のマングローブにおける魚類群集に匹敵するものであった.
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