日本海水学会誌
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蛍光X線分析法による塩製品中の微量元素簡易分析の可能性
眞壁 優美吉川 直人
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2004 年 58 巻 1 号 p. 80-84

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抄録
波長分散型およびエネルギー分散型蛍光X線分析装置を用いて, 塩製品中の主要な微量成分 (Mg2+, SO42-, K+, Ca2+, Br-) の簡易定量の可能性および定量精度について検討した.Mg2+については, Mg (OH) 2沈殿を用いた沈殿法, SO42-については, BaSO4沈殿を用いた沈殿法, K+, Ca2+, Br-については, 点滴濾紙法および液体法を用いた.この結果, 液体法を用いた場合と比較して, 点滴濾紙法を用いた場合の方が, 定量精度は良好であり, 低い成分含有量まで定量可能であることが示唆された.沈殿法では, 定量精度は試料調製操作に依存することが分かった.また, Mg2+, SO42-については沈殿法, K+, Ca2+, Br-については点滴濾紙法を用いた場合の結果を元に, 塩製品への適用の可能性を判断した.エネルギー分散型を用いた場合と比較して, 波長分散型を用いた場合の方が, 低い成分含有量まで定量可能であり, 高純度塩ではSO42-, 乾燥塩では, Mg2+, SO42-およびBr-, 湿塩では全ての対象成分について定量可能であることが示唆された.
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