日本海水学会誌
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キレストファイバーIRYによるCo, Niの固相抽出
古閑 美由樹山田 孝二伊藤 治南部 信義赤間 美文
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2005 年 59 巻 4 号 p. 267-272

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抄録
再生セルロースに架橋剤を介してキレート官能基としてイミノジ酢酸を化学結合させたキレストファイバーIRYにより, Co, Niを固相抽出する際の基礎的な条件をバッチ法およびカラム法により検討した.Co, Niの濃度がそれぞれ1μg/mlの溶液100mlに吸着剤を03g加え, pHを10~11の領域で変化させて, それぞれの試料溶液を30分間かき混ぜpHの影響を調べた, coはpH>3.5, NiはpH>2.7で定量的に吸着された. 吸着剤1.0gをカラム (78×16mm, 吸着剤の高さは約20mm) に詰めて, 吸着における流速の影響を調べたところ, 流速27ml/min (SV=6.7min-1) でも両金属の吸着に全く影響はなく, 定量的に吸着できた. さらに, 吸着剤の繰り返し利用について検討したところ, 100回利用しても吸着性能に衰えが認められなかった.
本吸着剤に対するCo, Niの吸着容量は, 1.1mmol/gおよび1.4mmol/gであった. 本吸着剤を用いて地下水, 天日塩試料中のCo, Niの分離濃縮を試みた.
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