水素ステーションでの水素漏れ検知に向けて開発した熱電式水素センサーは、優れた水素選択性と、0.5 ppmから5 %までの広範囲の水素濃度検知性能という特徴を示した。1年間のフィールドテストにおいてこれまでの技術を超える高感度と信頼性を実証し、その技術を実用化することで社会へ還元した。触媒燃焼と熱電変換技術を組み合わせた新しい原理、それを最大限活用するための微細加工技術、ガス燃焼に欠かせない高性能のセラミックス触媒部材、これら三つの構成要素を社会的なニーズという境界条件に合わせて、各要素の特長を最大に引き出すことができた。さらに、開発中に検討したセンサー性能評価技術を国際標準の提案へ発展させた。