システム監査
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[®研究論文] マイナンバーカードのおもて面情報を個人情報管理で利用する場合のリスクに関する一考察
福永 栄一
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2017 年 31 巻 1 号 p. 117-126

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抄録

マイナンバーカードの利用で懸念されることは、マイナンバーカードの裏面に記載された個人番号による国民総背番号化と、個人番号とともに収集される特定個人情報の漏えいである。これらを防止するために、マイナンバーカードの裏面に記載された個人番号の利用を法律で定めた場合のみに限定している。しかし、マイナンバーカードのおもて面は公的な身分証明書として使用できることが政府や地方自治体から広報されており、個人番号が記載された裏面のような制限はない。ところが、マイナンバーカードのおもて面には氏名、住所、生年月日、顔写真などが記載されており、これらをスキャンしてデジタル情報にすればコンピュータで個人情報管理に利用できる。この情報は運用次第では個人を特定する情報として利用できる。そこで本論では、マイナンバーカードのおもて面の情報を利用した個人情報管理のリスクと影響を検証してその対応について提言した。

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