平成28年4月からの意匠審査基準の改訂により、画像を含む意匠の登録対象が拡充され、ソフトウェア画面デザインについての意匠権登録制度の運用が開始された。
これに伴い、意匠権に関する新たなリスクとして、意匠権侵害リスク、意匠権逸失リスクが生じる。例えば意匠権侵害リスクに関しては、他社の意匠権侵害により差止請求を受けた場合は、たとえ長期間かけて開発・販売に至ったソフトウェアであっても、製造・販売の延期または中止を余儀なくされる危険性がある。また既に出荷済みの製品の回収や使用停止をする必要もあり、甚大な不利益が生じる。
これらのリスクに対するコントロールとしては、リスクの認識と周知、他社の意匠権の調査、自社の画面デザインの意匠登録の出願、先使用権の確保、無効審判請求・無効の抗弁の主張、意匠権侵害の警告に対する初期対応方針の明確化、守秘義務の徹底、職務意匠に関する社内規程の整備が必要である。