大気環境学会誌
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研究論文(ノート)
水田土壌からの亜硝酸ガス(HONO)直接発生フラックスの測定および大気濃度への寄与評価
峰島 知芳 中根 令以島田 幸治郎利谷 翔平佐藤 啓市大山 正幸寺田 昭彦細見 正明
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2015 年 50 巻 6 号 p. 249-256

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抄録
土壌からの亜硝酸ガス (HONO) の直接発生が昼間に存在する未解明のHONO発生源となり得る可能性が指摘されている。我々は、水田の中干し期間に、ダイナミックチャンバー法とフィルターパック法を用いてHONOの直接発生量を測定した。観測されたフラックスは、先行研究と同様の値で、最大値は40.4 ng/m2/sであり、土壌の酸化還元電位 (Eh) が負の還元状態から正の酸化状態に変化した後であった。また、フラックスは日中に多く (3.5±0.9 ng/m2/s)、夜間に少なかったが (1.5±0.3 ng/m2/s)、フラックスの増大は土壌温度の変化による化学平衡の偏りと気液平衡だけでは説明できなかった。肥料施肥の影響を調べるために、化学窒素肥料を慣行量施肥した系(施肥系)と、無施肥の系(コントロール系)の2系を比較した結果、施肥系の方がコントロール系よりHONOフラックスが平均して大きかった。これは、土壌中のNO2、NO3に差がなかったことから、施肥系の方が土壌の含水率が低かったことが原因として考えられる。今回観測されたフラックスの大気中HONO濃度への影響は無視できない大きさであることがわかった。
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© 2015 大気環境学会
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