抄録
西高尾ダムは, 上流に畜産団地や飼料畑があり湖水の富栄養化が懸念されている. 現時点の水質は富栄養化湖沼に分類され, アオコの形成等が生じ得る状況にあるが今までのところ認められていない. このような状況が維持されているのは, 本ダムでは各年度末にダムに残存する貯水を落水する「期末放流」が行われており, このダム運用方式が貢献しているものと想定されている. そこで, 期末放流の効果を含めて今後の水質動態を検討するため, 生態系モデルを作成した. このモデルを利用した期末放流無しのケースの検討結果によると, 現行のダム運用に比較し, ダムへの流入水量のうち貯留される量が年平均で26%程度減少するため, 外部流入負荷が減少しCODについては平均濃度は現状とほぼ同様であるが変動幅は減少した. T-Nは湖内に順次蓄積され年を追って増加し, T-Pの変化は少ないことが判った.