大気環境学会誌
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総説
オゾンおよび高濃度CO2に対する樹木の生理生態学的応答
渡辺 誠
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2018 年 53 巻 2 号 p. 62-69

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抄録

森林の健全性を維持するためには人間活動の活発化に伴う大気環境の変化に対する樹木の応答を考慮する必要がある。著者は共同研究者とともにオゾンと高濃度二酸化炭素(CO2)に対する樹木の応答に関する研究に生理生態学的な視点から取り組んできた。本稿ではその研究成果を概説する。オゾンに関しては、光合成応答のメカニズム、実験的研究に基づいた日本の代表的な森林樹種に対するオゾンのリスク評価、開放系オゾン暴露実験を用いた樹冠レベルの光合成応答について概説する。高濃度CO2に関しては、優良造林樹種であるグイマツ雑種F1の光合成・成長応答ならびに高濃度CO2とオゾンの複合影響に関して概説する。

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© 2018 大気環境学会
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