2019 年 54 巻 1 号 p. 1-8
大気環境学会賞ではこれまでに行ってきた研究である、大気汚染物質の新規な測定法の開発や測定、大気中で起こっているであろう反応の研究、さらに水滴の凍結や乾燥過程での反応、亜硝酸の人体影響、バイオディーゼル燃料の製造と燃焼排ガスの測定や大気環境への影響など、大気環境にかかわる多岐に渡る研究が対象であった。これらをすべてを紹介するのは紙面の関係で無理であるので、ここでは、受賞の元となった業績の中でも大きな比率を占める大気中の亜硝酸ガス (HONO) が関わる研究で1) 大気中の異相の化学、2) ガス状HONOの測定、3) HONOの人体影響について述べる。