大気環境学会誌
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資料
第62回大気環境学会年会 株式会社ROKI 公開シンポジウム「COVID-19と大気環境」
ジャーナル 認証あり

2022 年 57 巻 1 号 p. A41-A64

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抄録

2021年9月に開催した第62回大気環境学会年会において、年会実行委員会では株式会社ROKI 公開シンポジウム「COVID-19と大気環境」を企画した。このシンポジウムでは、世界的な大問題となっている新型感染症COVID-19と大気環境の関わりについて多様な分野の専門家にご講演いただくことで、今後の大気環境研究の展開や関連分野との連携可能性を展望することを目的と設定した。

冒頭の基調講演では早稲田大学の森本英香先生に、環境法・環境政策の専門家の立場から、大気環境の歴史も踏まえてCOVID-19と大気環境の関係を俯瞰的にお話しいただいた。その後、リスク評価、環境衛生学、環境医学、大気化学モデリング、人文社会学、地方環境行政を専門分野とする6名の先生方にご講演いただいた。これら全7題のご講演では、新たな大気環境リスクとしてのCOVID-19感染症、SARS-CoV-2ウイルスの空気感染経路、大気汚染暴露がCOVID-19感染に及ぼす影響や機序、感染症対策が大気環境に及ぼす影響、気候変動とCOVID-19の根本要因の共通性、感染症や環境問題などに連携して取り組むワンヘルスの概念と実践など、多種多様な論点をご提示いただき、改めてCOVID-19に関わる大気環境研究の重要性が示された。

なお、シンポジウム当日は一般参加者を含めて全国から計293名にご参加いただき、活発に質疑討論がなされた。改めてご講演者、参加者の皆様に感謝いたします。また、本シンポジウムにご協賛いただいた株式会社ROKIには深く御礼申し上げます。

© 2022 公益社団法人大気環境学会
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