抄録
東京およびその近県に居住するオフィス勤労者及び主婦を対象として, NO2個人被曝量, 室内及び室外のNO2濃度を冬期, 春期, 夏期および秋期に亘って調査した。測定はNO2フィルターバッジを用い, 生活行動時間の調査と共に一週間行った。
NO2個人被曝濃度の分布は冬期においては他の季節と著しく異なり, 13~132ppbと広い範囲に渡り, その平均値も37.7ppbと, 他の季節の平均値15.2~17.9ppbに比べ2倍以上高かった。これは冬期の自宅室内での暖房の影響に負うところが大きく, 事更, NO2被曝濃度は暖房器具未使用者群の18.0ppbに対して石油ストーブ使用者群で43.6ppb, ガスストーブ使用者群で33.4ppbと高かった。また喫煙による被曝濃度への影響は認められなかった。同一家庭居住の男女の被曝濃度は高い相関を示した。
一日のうちの室内生活時間は通年平均で, 勤労者, 家庭婦人とも22時間以上であり, そのうちの勤労者でおよそ6割, 家庭婦人では9割以上, 自宅室内に滞在することが判った。
NO2個人被曝量は各季節とも自宅室内被曝量と有意な相関を示し, 春期には職場室内および台所での被曝量とも有意な相関を示した。
さらに自宅及び職場の室内及び屋外のNO2濃度とそれらの環境での滞在時間から計算したNO2個人被曝量の予測値は個人被曝量の実測値と比較的よい一致を見た。