1990 年 25 巻 4 号 p. 263-269
麻酔下のラットの, ガス交換, 換気・代謝機能を測定するため, 頭部マスク・質量分析器を用いた呼吸回路により, Breath-by-Breathの呼気ガス分析を行った。
(1) マスクは, 動物の月令にあわせて, 頭部・顔面鋳型をもとに作成し, 用手保持した (→0.3mlの死腔と気密性を得た)。(2) 定常量 (178ml/min) で吸入ガスをながした (→非再呼吸弁を用いない)。(3) 小スパイロのポテンショメーターよりガス量を, また, 質量分析器 (吸引量29ml/min) により, ガス濃度を, それぞれ測定した。以上の方法で, 安定した呼気終末濃度を得た。
本法は, 小動物の安静換気状態におけるBreath-by-Breathの呼気ガス分析を可能にし, ガス量とガス濃度とを併用して, 02,CO2だけでなく, 種々の指標ガスmdicatorgasのuptakeや, outputも測定でき, 幅広い換気指標を得ることができたる。