大気環境学会誌
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立山における霧水の化学成分
渡辺 幸一名取 千晶朴木 英治
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2005 年 40 巻 3 号 p. 122-128

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抄録
2003年秋期に立山において霧水の採取・分析を行った。霧水のpHは, 中腹の美女平で4.1~5.0, 山頂に近い室堂平で3.3~5.1であった。美女平では海塩起源成分がしめる割合が高く, 立山が比較的海岸に近いためであると考えられる。霧水中のNO3-/nss-SO42- (N/S) は美女平で高く, 室堂平で低かった。pHが4以下の強い酸性霧は室堂平でしばしば観測され, 酸性霧中の硫酸イオン濃度が高かった。今回の観測期間中で最もpHが低い霧水が観測された9月19日について後方流跡線解析を行った結果, 大陸の汚染物質の影響を強く受けている可能性が示唆された。
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