抄録
明治,文明開化と共に始まった外国文化の輸入は日本の教育制度に大きな影響を与えた。英語なくしては何も学ぶことが出来なかったため,新日本政府はその教授学習に力を入れた。開国された日本国にキリスト教の布教目的にやってきた,英米の宣教師たちが,「英語教授」を手段として日本国に英米の文化や教養を広げていったのは当然のことである。英語に慣れ始めた明治30年には,日本人英語学者によって,女子教育に必要な英語教科書も著作され出版された。近年のヨーロッパの英語教授法は,明治時代の英語教授法に近いものが見られる。英語に関して全く無知であった当時の女性対象英語はどの様に享受されたのか。明治30年に書かれた『Girls’ English Reader』はどのようなものであったのか。英語の発音と文字は,どのように結び付けられ,教授されたのであろうか。