太成学院大学紀要
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最新号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 金本 純子
    2023 年 25 巻 p. 1-12
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/14
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究の目的は診療所に勤務する看護師の糖尿病患者に対する療養支援の実態を明らかにすることである。近畿圏内の診療所の看護師を対象に糖尿病患者への療養支援について質問した。知識提供について,自己注射に関する技術や低血糖の対処に関する知識提供は実践されているが,合併症の早期発見や予防に関する知識提供は不十分であった。かかわり方については,糖尿病患者に対し,患者が安心して話せる関係つくりと患者の感情を受け止め承認するかかわりを行っていた。また,診療所の看護師の療養支援は,看護師の自己学習,糖尿病看護に関する経験,資格取得と関連していた。今後の課題として,診療所に通院する糖尿病患者に対し,合併症のリスクを回避する知識の提供と,目標設定をするためのかかわりが必要であり,看護師自らが学習や患者指導,資格取得をする機会を得られれば,患者への療養支援の実践につながる可能性があることが示唆された。
  • 阪上 富貴子
    2023 年 25 巻 p. 13-24
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/14
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    慣習,社会規範における性的役割分業が明らかに存在する中,先行研究においては,女性経営者にとっても「家事・育児・介護との両立」が課題とされる。ジェンダーが企業経営という取り組みにおいても影響を及ぼすのであれば,女性経営者はどのような動機で,またどのタイミングで事業をスタートさせ,それを克服してきているのだろうか。本研究では,中小企業の女性経営者へのインタビューにより,「経営者になるまでのキャリア」「配偶者のサポート」「家事や子育てとの関わり」「離婚の経験」などを調査し,起業とライフイベントの関係について検証する。
  • ―下肢および体幹運動に着目して―
    林 準平, 村上  成治, 加藤 達雄
    2023 年 25 巻 p. 25-35
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/14
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究は,幼児群および成人群の各9名に対し,立ち幅跳びにおいてその跳躍距離が最大下20%から20%刻みで100%になるような課題を行わせ,その前後における最大努力での立ち幅跳びの跳躍距離および下肢・体幹運動の変化を検討した。その結果,両群とも課題実施後の跳躍距離は課題実施前の値に比し有意に高値を示した。また課題実施の前後において,幼児群では離床時の体幹前後屈角度,着床時の股関節・体幹前後屈角度,股関節角速度そして離床時から着床時までの間における股関節,足関節および体幹前後屈の運動域に有意差が認められた。一方,成人群では離床時の股関節・足関節・体幹前後屈角度,膝関節最大屈曲時から離床時に至るまでの間の股関節角速度最大値,そして離床時から着床時までの間における股関節および足関節の運動域に有意差が認められた。これらのことが,各群の跳躍距離の向上を導いた一因であると推察される。
  • 東野 さつき
    2023 年 25 巻 p. 37-43
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/14
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究はA市において,産後うつとボンディング(愛情・情緒的絆)に焦点を当てたスクリーニング調査票を作成し,乳児家庭訪問の対象となる母親の実態調査を行い,そこから支援ニーズを持つ母親の早期発見の可能性を検討すること,そして,この訪問事業に母親のメンタルヘルスに関する調査を活用することの利点と限界について考察することを目的とした。その結果,A市において産後うつをもつ母親が先行研究の同等程度存在することが明らかとなった。産後うつのリスク要因については,ソーシャルサポート資源調査項目の追加など調査内容の精査が示唆された。2つの尺度項目間には弱相関がみられ母親の精神状態を理解する上で併用が望ましいと考えられた。
  • 廣瀨 寿美子, 小池 伝一
    2023 年 25 巻 p. 45-54
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/14
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究は,我が国の小児看護書籍における乳幼児への経口与薬援助・原則の記述内容について明らかにすることを目的とした。その結果,与薬目的,薬剤確認,内服準備,説明と同意,内服方法とタイミング,食物への混入,シリンジ・スプーン・スポイト・乳首における援助方法,与薬後の援助,薬と食の関係,親への参加方法について記載されていた。記載内容には差があるため,統一した内容にすることが望ましいと言える。
  • ―A・フュルティエール著『普遍辞典』(1689年)から―
    黒川 正剛
    2023 年 25 巻 p. 55-65
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/14
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    16世紀後半以降のヨーロッパでは,自然や文化などあらゆる分野にわたる知識を一定の順序に従って配列する形式をもつ書物である百科事典の原型が誕生した。17世紀末に著されたフランス人アントワーヌ・フュルティエールの『普遍辞典』はその発展を示す1つの具体例である。古代ギリシア・ローマ時代以来,中世・近世を通してヨーロッパでは,怪物,天変地異,珍奇な動植物などが「驚異」として認識されてきた。近世末に出版された『普遍辞典』における驚異と怪物に関わる項目の記述内容の分析から,怪物に関わる驚異に対して合理的な認識と非合理的な認識が共存していたことがわかる。このことには,17世紀末という時代が驚異流行の衰退期にあたっていたことが関係している。
  • ―多重介護の当事者としてのアプローチ―
    吉岡 由喜子
    2023 年 25 巻 p. 67-75
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/14
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    質的研究方法についての文献や質的研究を用いた論文を基に,多重介護を担っていた当事者としての立場を生かした研究方法を見いだすことを目的に研究を行った。結果,当事者研究,オートエスノグラフィー,現象学的分析法,エピソード記録と接面,修正版グランデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA),複線径路・等至性アプローチ(TEA),二重ABCXモデルの手法を研究に用いることができる可能性が明らかになった。 そして,それらを複数組み合わせることで,当事者個人の経験を効果的に明らかにする研究,当事者の気持ちや行動を他者との相互性から分析する研究,当事者の経験を生かした他の当事者との研究,多重介護のプロセスから理論を見出す研究,家族との問題解決プロセスにおける当事者の状況を明らかにする研究ができる可能性が示唆された。
  • 黒川 正剛
    2023 年 25 巻 p. 77-82
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/14
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
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