胆道
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教育講演
肝内胆管癌の診断と治療
山本 雅一有泉 俊一
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2008 年 22 巻 2 号 p. 149-153

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抄録
肝内胆管癌は全世界的に増加している. 最近, C型慢性肝炎や非特異的な肝硬変などが病因として注目されてきている. 原発性肝癌取扱い規約で規定されている肉眼型は癌の進展様式を反映し, 画像診断と対応し, 術式の決定や再発様式と関連を認めている. 腫瘤形成型は慢性肝炎の併発率が高く, 肝細胞癌と術前診断されることも多く, 同時異時性に肝細胞癌を併発することがある. これに対して胆管浸潤型, 胆管内発育型では慢性肝炎併存率は低く, 肝細胞癌の併発はない. 腫瘤形成+胆管浸潤型と胆管浸潤型の臨床背景はほぼ同一であり, 胆管浸潤型の高度肝実質浸潤例が腫瘤形成+胆管浸潤型であると考えられた. 腫瘤形成+胆管浸潤型は高度進行癌で, 切除成績が不良ある. 腫瘤形成型は治癒切除率が高いが, 肝内再発率が高く, 切除後の補助療法の追加が必須と考えられた. 最近化学療法や免疫治療の効果について報告があり, 補助療法として期待されている.
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© 2008 日本胆道学会
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