抄録
胆嚢癌のリンパ節転移および肝十二指腸間膜内浸潤に対する郭清の意義と問題点を明らかにすることを目的として, ss以深の進行胆嚢癌29例を対象として検討した. 深達度ssで胆管側への進展部位がGf/Gbの症例ではpBinf0であり, リンパ節郭清が主体となる. 一方, se以深の症例ではリンパ節転移は極めて高率であり, さらに胆管側への進展部位がGn/C/Bの症例ではpBinf陽性率75%と高いため, リンパ節郭清と肝十二指腸間膜郭清の両方に主眼をおいた郭清が必要である. リンパ節転移部位と頻度は12bが36%, 13aが28%と高率であった. pN2以上の症例では膵頭十二指腸切除施行例に5年以上の長期生存が得られた. 一方, pBinf陽性例に対しては肝十二指腸間膜内の剥離面を陰性化するためには血管合併切除を含めた手術が必要であるが, 拡大手術による手術関連死亡も認めており手術手技の向上を図るとともに適応も考慮する必要がある.