胆道
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症例報告
経口電子胆道鏡が診断に有用であった胆管コレステローシスを伴う早期胆管癌の1例
高山 玲子山雄 健次原 和夫澤木 明伯耆 徳之高木 忠之武田 洋平重川 稔清水 泰博佐野 力細田 和貴谷田部 恭
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2008 年 22 巻 2 号 p. 191-197

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抄録

症例は75歳, 男性. 胆管内隆起性病変精査のため当院に紹介入院となった. 経口胆道鏡 (peroral cholangiography : POCS) にて, 下部胆管に黄白色調でIs型のポリープ様病変を2カ所と病変周囲の祖造な粘膜が観察されたが, その肝側の粘膜には明らかな異常所見を認めなかった. 胆汁細胞診にて腺癌を認め, 下部胆管に限局したStage Iの胆管癌と診断, 膵頭十二指腸切除術を施行した. 病理組織学的所見では, ポリープ様病変はコレステロールポリープであり, その周囲に下部胆管に限局した高度異型腺腫と上皮内癌を認め, コレステロールポリープ上にも上皮内癌がみられた. 最終病理診断は, Well differentiated tubular adenocarcinoma, Bi, m, ly0, v0, pn0, hinf0, ginf0, panc0, du0, Stage Iであった. 経口胆道鏡にて胆管のコレステロールポリープと周囲の祖像な粘膜を描出し, 内視鏡下での細胞診により確定診断を得た早期胆道癌の1例を経験した.

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© 2008 日本胆道学会
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