抄録
原発性硬化性胆管炎 (PSC) は有効な内科的治療法が確立されておらず, 進行すると肝移植のみが生命予後を延長しうる治療法となる. 移植適応時期は種々の予後予測式を参考にしながら肝不全症状や個々のQOLに基づいて決定する. 胆道癌合併症例の肝移植成績は不良であり国内の現状では肝移植の禁忌と考えられるため, 術前の十分な精査がなされるべきである. 海外の肝移植成績は1年生存率90%, 2年生存率84%で他疾患より良好であるが再移植率は高い傾向にある. 一方, 国内の肝移植成績は1年生存率76%, 3年生存率69%で海外データや他疾患と比較して良いとは言えない. 肝移植後PSCの再発は長期フォローアップの中で重要な問題であり, 特に生体肝移植では再発率が高い可能性がある. 再発診断が困難な症例もあり, 移植後胆管病変に注目した管理が必要である.