長期生存可能なss胆嚢癌において, 超音波内視鏡検査が寄与しうる点は次の3点だと考えられた. 1. ss浸潤部の深さが浅い (癌のssへの浸潤量が少ない) かどうか, 2. リンパ節転移の有無, 3. 肝十二指腸間膜浸潤の有無.
1 : 第二層低エコー層に腫瘍エコーが存在する場合にはSSまたはHinf1a以浅と診断することになる. また, 腹腔側進展の場合には明らかな第三層高エコー層への浸潤を認めない場合にSS浅層と術前診断可能である.
2 : B-mode画像だけでのリンパ節良悪性診断率は満足できるものではない (sensitivity : 67%, specificity : 82%, accuracy : 76%). EUS-FNA (EUS guided fine needle aspiration) を用いた良悪性診断の当科における成績はsensitivity : 93%, specificity : 100%, accuracy : 95%と高率であったが, 複数のリンパ節の良悪性診断を同時に施行可能な造影カラードプラ断層法が有用である (sensitivity : 100%, specificity : 87.5%, accuracy : 93.7%).
3 : エラストグラフィーが診断に貢献できる可能性があるが, 今後の検討を要する.
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