抄録
胆道癌に対する化学療法は切除後再発あるいは切除不能例に限られ,全身状態が良好な患者で実施する意義があるものと考えられる.最近,切除不能胆道癌に対する化学療法の臨床試験が積極的に行われるようになり,有効な治療法も開発され,gemcitabine(GEM)とtegafur/gimeracil/oteracil potassium(S-1)が多く用いられている.また多数例の後ろ向き検討や臨床試験のpooled analysisではGEMやcisplatinが有望な薬剤として挙げられている.しかし単独治療では十分な治療成績とはいえず,GEM単独とGEM+cisplatin併用療法,あるいはS-1単独とGEM+S-1併用療法によるランダム化比較試験が行われており,単独治療から併用治療へと開発が進んでいる.世界の動向をみると,GEM-based combination regimenや分子標的薬を用いた臨床試験が行われつつあり,GEM+cisplatinやGEM+capeciatbineの併用療法による大規模な第III相試験も行われている.一方,切除後補助療法としての化学療法もその必要性からGEMやcapeciatbineを用いたランダム化比較試験も実施されている.近い将来,エビデンスに基づいた標準治療が確立するものと期待される.