抄録
症例は75歳,女性.平成16年1月,他院にて進行胃癌に対し幽門側胃切除術,B-I再建術が施行された.平成18年8月胃癌術後の経過観察のCTで胆管拡張が認められた.上部消化管内視鏡を施行したところ,十二指腸乳頭部に約2 cmのポリープ型腫瘍を認めた.自覚症状は無く,血液生化学検査では軽度の肝機能障害とDUPAN-2の上昇を認めた.十二指腸乳頭部の生検結果は乳頭腺癌で,平成19年1月膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織学的検索では一部に十二指腸固有筋層に達する癌浸潤を認め,胆道癌取扱い規約上pT3,pN0,M0,fStage IIIであった.胆道癌取扱い規約における十二指腸乳頭部癌の肉眼型分類で,ポリープ型は極めて少なく,15年間の全国胆道癌登録調査報告では1.1%と低率である.今後,内視鏡的切除の可否や,適切な手術術式を決定する上で症例の集積が必要と考えられた.