日本臨床免疫学会会誌
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症例報告
好酸球増多症候群に伴う難治性指趾壊疽に対して骨髄単核球細胞による血管再生医療が有効であった一例
東 直人的場 聖明西岡 亜紀村本 睦子上田 英一郎畠田 典子真鍋 蘭黄 昌弘岩村 優美野崎 優子松井 聖佐野 統
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2014 年 37 巻 2 号 p. 101-110

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抄録
  62才,男性.2010年1月末,手指冷感,皮膚色調の暗紫色への変化を自覚.次第に四肢全体にしびれ感が拡大し,疼痛と脱力が急激に増強した.併せて末梢血好酸球増多を認め同年3月入院.WBC 20600/μl,好酸球46.6%(9600/μl)に加え,CK 2334 IU/l,尿蛋白と尿潜血を認めた.好酸球増多の原因となる基礎疾患が除外でき,好酸球増多症候群(HES)と診断した.ステロイド薬による治療の開始により末梢血好酸球数,CK値,尿所見は速やかに改善した.しかし,四肢のしびれ感,疼痛,脱力は持続し,指趾壊疽が出現した.血管造影検査では四肢動脈の狭窄や閉塞を認め,末梢循環改善薬や星状神経節ブロックなどで加療するも次第に指趾壊疽は増悪した.同年7月骨髄単核球細胞による血管再生医療を実施.術後2週で創部辺縁の出血と色調改善を認め,その後壊死範囲は拡大しなくなった.同年11月指趾切断術を施行するも術後切断面の上皮化は順調で,しびれや疼痛も軽減した.ステロイド薬漸減中も再燃徴候はなく,術後3年に渡り皮膚所見の改善とサーモグラフィー検査など客観的指標による血流改善効果の維持が確認できた.HESに伴う動脈閉塞による指趾壊疽は稀だが難治性である.骨髄単核球細胞による血管再生医療が本病態に対する治療法の一選択肢になり得ると考えられた.
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© 2014 日本臨床免疫学会
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