抄録
要旨: 患者は70歳代,女性.腹部CTでは肝十二指腸間膜内は腫瘤で一塊となっていた.肝門部では肝内に浸潤する腫瘤により両葉の肝内胆管の拡張を認め,右肝内胆管は前後枝合流部まで浸潤を受けていた.また右肝動脈は肝門部近傍で腫瘤の浸潤が疑われた.胆管造影では左右肝管から総肝管にかけて高度な狭窄を認め,左および前枝の肝内胆管の拡張を認めたが後枝は描出されなかった.腹部血管造影では門脈は本幹から左右分岐部にかけて狭窄を認めた.門脈浸潤を伴う肝門部胆管癌と診断し手術を施行した.術中洗浄細胞診がclass Vであったため,尾状葉を含む肝左葉切除,門脈合併切除,D2リンパ節郭清を施行し,再建終了後に持続温熱腹膜灌流を施行した.組織学的にはBsBpBmC,se,pHinf2,pGinf0,pPV2,pA(不明),pN1,pHM2,pDM2,pEM(h,rHA)2,fStage IVa,fCur Cであった.術後S-1内服とpaclitaxel靜注による補助化学療法により4年10カ月無再発生存中である.