抄録
要旨:肝移植術後の合併症の中で,胆管合併症は最も頻度が多く肝移植におけるアキレス腱とも言われ,移植レシピエントのquality of lifeだけでなく予後にも影響する.肝移植における胆道再建法は大きく分けて,グラフト肝管とレシピエント空腸を吻合するいわゆる胆管空腸吻合とグラフト肝管とレシピエント胆管を吻合する胆管胆管吻合がある.生体肝移植における胆道再建法を比較した研究によると,胆管胆管吻合は胆管空腸吻合に比べて術後早期の胆汁瘻は少ないが,吻合部狭窄が多い傾向がある.厳密に胆管胆管吻合と胆管空腸吻合のどちらが優れているかは結論し難いが,今日では,成人間生体肝移植は胆管を病変の主座としない疾患に対し広く胆管胆管吻合が行われている.