抄録
要旨:ERCP関連手技後膵炎(PEP)発症の危険因子を明らかにするために,各因子と膵炎発症の関連について526例を対象として統計的解析を行った.検討因子は性別,年齢,BMI,内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)の既往,蛋白分解酵素阻害薬使用の有無,十二指腸乳頭到達後の検査時間(検査時間),カニュレーション回数,膵管造影,管腔内超音波,胆管生検,胆汁細胞診,胆管ブラシ細胞診,膵液細胞診,膵管ブラシ細胞診,EST,膵管括約筋切開プレカット術,胆管ドレナージ(EBD),non-EST/EBD,膵管ステント留置,膵管ガイドワイヤー,術者(トレイニーかオペレーターか)とした.多変量解析の結果,検査時間,non-EST/EBD,膵管造影が有意な危険因子であった.検査時間の適切なcut off値を求めると15分以上と15分未満でPEP発症率に有意差を認めた.検査時間をできれば15分以内に留め,不要な膵管造影を避けることが,PEP発症の防止に重要である.