抄録
要旨:39歳,男性.感冒様症状にて当院を受診した.CT,腹部超音波検査にて肝膿瘍,胆嚢腺筋腫症と診断され,PTCD用カテーテルを用い右肋間より肝膿瘍に穿刺ドレナージ施行した.第32病日,肝膿瘍は軽快し,カテーテル抜去を試みたが腹壁でカテーテルが断裂し,肝内に遺残した.同日,緊急開腹手術を施行し,カテーテルを抜去すると同時に胆嚢摘出術を行った.術後経過は良好で術後第15日に退院した.PTCDカテーテルに関する合併症としては一般的にカテーテルの逸脱,出血などが知られているが,本症例ではカテーテルの経時的な屈曲により断裂したと考えられた.肝膿瘍では一カ月以上のカテーテル留置を必要とすることが少なくないので,定期的なカテーテルの交換等,長期にわたる同一カテーテルの留置をさけることや,造影検査の際に病変部位だけでなく,カテーテルのねじれや屈曲などに留意し,カテーテル全体の注意深い観察が必要である.