抄録
要旨:現在,急性胆管炎のない胆嚢結石合併胆管結石症例に対する治療法は,「内視鏡外科診療ガイドライン」と「胆石症診療ガイドライン」に推奨治療法が記載されている.前者のガイドラインでは胆嚢摘出と総胆管切石を同時に施行する腹腔鏡下総胆管結石手術が推奨され,後者では内視鏡的胆管結石摘出術と腹腔鏡下胆嚢摘出術を組み合わせる治療法が推奨されている.両術式は専門性の高い手技であるが,現時点で共に科学的根拠のある文献に裏付けられている.1990年よりの日本内視鏡外科学会の隔年アンケート結果では,内視鏡的胆管結石摘出術と腹腔鏡下胆嚢摘出術を組み合わせる治療法が増加している.一方,2009年度のアンケート調査では全例開腹下手術で行うとする施設は42%に及び,この術式は臨床上重要である.以上より,急性胆管炎のない胆嚢結石合併胆管結石の治療法は,ガイドラインで推奨される専門性の高い2種類の治療法と開腹下手術の3術式が現在の標準術式である.