抄録
要旨:術後難治性良性胆道狭窄に対する治療は,保存的治療が優先されることは言うまでもない.即ち,直接胆道造影を施行し吻合部へのガイドワイヤーの通過が可能な症例に対しては,原則としてIVR治療を選択する.ガイドワイヤーの通過が困難であると判断される場合には,一般的ではないが磁石圧迫吻合などが奏功する場合もある.しかしながら,ガイドワイヤーの通過が困難であり,磁石圧迫吻合など保存的治療がすべて不成功となった場合には外科的治療を考慮せざるを得ない.外科的治療としては胆管空腸吻合などの胆道再建術が適応になるが,本来炎症性瘢痕組織による狭窄であり,高度の癒着を認めることが多く,肝門部グリソン系脈管の同定は容易ではない.今回我々は肝S4a部分切除によって肝門部胆管を露出させ,安全に胆管空腸吻合を施行し得た2例を経験したので,文献的考察を加えて報告した.