抄録
要旨:逸脱した胆管ステントの大腸穿孔症例は,胆道系疾患に対する内視鏡的処置の合併症としては非常にまれである.我々は胆管ステントによるS状結腸憩室穿孔に対し手術を施行した症例を報告する.症例は85歳の男性,腹部CT検査にて逸脱した胆管ステントの一部がS状結腸壁から腹腔内に突出しており穿孔の可能性を考え手術を施行した.手術所見にて憩室穿孔部位に一致して胆管ステントが存在していた.局所切除を行い経過良好にて第8病日に退院された.憩室,傍ストマヘルニア,癒着,腹壁ヘルニアのある症例では脱落した胆管ステントによる穿孔の危険性がある.そのため,慎重な経過観察が必要である.