胆道
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原著
当施設における急性胆管炎の治療方針と転帰についての検討
伊藤 康博
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2012 年 26 巻 1 号 p. 70-77

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抄録

要旨:急性胆管炎は重症化する場合もあり緊急態勢の十分整った施設での迅速な治療が必要である.2007年4月から2010年9月までの間に経験した急性胆管炎138例を対象としretrospectiveに検討した.平均年齢71歳,男性86人,女性52人,総胆管結石104例,悪性胆道狭窄19例,ステント閉塞7例,胆石性膵炎5例,その他3例であった.初期処置はドレナージのみ90例,一期的除石44例,ステント交換4例が行われた.中等症項目の2項目以上,検査項目で血小板低下,GPTの低値,低Alb血症,CRPの上昇,腎機能障害は重症例で有意に多く認めた.ドレナージ目的としたEndoscopic nasobiliary drainage(ENBD)留置は性状確認,起因菌同定,造影による原因確認をすることも可能であった.重症例では適切なENBD留置されても死亡されている例があり,死亡率は重症度を反映していた.

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© 2012 日本胆道学会
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