胆道
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原著
右肝円索に伴った左側胆嚢に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術の検討
山本 英夫早川 直和山本 竜義籾山 正人
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2012 年 26 巻 4 号 p. 583-591

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抄録

要旨:施行した胆嚢摘出術2569例(85.6%が腹腔鏡下,LC)中,経験した‘左側胆嚢’は12例(0.47%)で,全例LCを行った.男9例・女3例,平均年令は42.2±11.0才であった.全例に肝円索の吊り上げを行った.5例目までは胆嚢頚部からの剥離を先行したが,操作が困難だったため6例目からは全例胆嚢底部からの切離を先行した.12例全例でLCを完遂できた.平均手術時間は152±75分,術後合併症はなく術後平均入院期間は6.8±4.7日であった.‘左側胆嚢’に対するLCでは,肝円索の吊り上げ,心窩部ポートを肝円索の左側から挿入,胆嚢底部からの切離を先行し胆嚢頚部の処理を後に行うなどの手技上の工夫と,胆嚢床から直接胆嚢へ流入する動脈があるので,胆嚢床切離時出血させないように注意することが大切である.12例に右側門脈臍部が確認され,全例胆嚢の位置異常ではなく右肝円索に伴った左側胆嚢と診断した.

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© 2012 日本胆道学会
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