抄録
要旨:症例は74歳女性.10年前に右腎癌に対し根治的切除(病理:RCC clear cell pT3b,45×38 mm,G1>2,INFα,v(+),cut end-)の既往あり,定期的に当院泌尿器科にて経過観察中だった.腹部超音波検査にて胆嚢頸部に7 mmの半球状隆起性病変を指摘され,7カ月後に同病変は15 mmと増大し卵形を呈した.dynamic CTでは動脈相で極めて強い造影効果を伴う腫瘤病変を指摘され,門脈相にて肝とほぼ同等の造影効果遅延を呈した.超音波内視鏡検査にて亜有茎性の20 mm弱の腫瘤で,腫瘤表層には薄く高エコー帯を伴っていた.造影CT早期相における造影所見および超音波内視鏡所見より腎癌の転移を強く疑った.当院外科にて開腹下単純胆嚢摘出術が施行された.病理組織学的に胆嚢粘膜層に限局した腎癌の胆嚢転移と診断された.