抄録
要旨:症例は63歳,男性.不明熱で当院に入院となり,精査目的で施行した上部内視鏡検査にて約10 mm大の露出腫瘤型十二指腸乳頭部腫瘍を認めた.生検の結果,高分化型管状腺癌と診断し,膵頭十二指腸切除を施行した.病理組織所見では,十二指腸粘膜固有層に高分化管状腺癌を認め,粘膜下層には免疫組織化学染色でChromogranin A陽性,Synaptophsin陽性,CD56陽性を示す小型腫瘍細胞を認め,腺内分泌細胞癌と診断した.
十二指腸乳頭部腺内分泌細胞癌は悪性度が高く,治癒切除がなされてもその予後は極めて不良である.自験例はfCurAの治癒切除がなされ,脈管侵襲もみられなかったため術後化学療法は行わなかったが,術後17カ月で悪性リンパ腫にて死亡するまで無再発であった.これまで十二指腸乳頭部腺内分泌細胞癌の報告は少なく,本邦既報告例の文献的考察を加え報告する.