抄録
要旨:低侵襲医療に対するニーズが高まるなか,胆道疾患診療においてERCP関連手技はますます不可欠のものとなっている.近年のERCPは処置が中心となっているため,胆管へのより確実な挿管が求められる.胆管挿管困難例では同じ方法を繰り返すのではなく,それぞれの状況に応じた方法で対処することが重要である.ESTは胆管結石に対する標準的治療であるばかりではなく,各種治療,診断に必須の手技となっている.ERCP関連手技は少人数で比較的短時間で安全に施行でき,劇的な効果をもたらすことができる一方で,ときには重篤な合併症が発生することもある.より安全かつ確実に行うためには,その基本についてよく理解し,手技に習熟しておく必要がある.