抄録
要旨:症例は41歳,女性.平成21年6月検診で胆嚢内に隆起性病変を指摘され当科を受診した.腹部超音波検査で胆嚢底部と体部に約10 mmの結節病変を認め,MRI high b-value拡散強調画像で体部病変は底部病変に比べて高信号であった.またMRCPで長い共通管を有し,膵胆管合流異常に合併した胆嚢癌疑診例として開腹胆嚢摘出術を施行した.術中胆道造影で膵胆管合流異常と診断した.切除標本では胆嚢粘膜全体に顆粒状の異形成から高分化型腺癌が広がり,その内部にある底部結節病変は中から低分化型腺癌,体部結節病変は内分泌細胞癌で構成されていた.以上から膵胆管合流異常に合併した胆嚢腺内分泌細胞癌と確定診断した.本症例は分化度や形質の異なる多彩な組織像が混在し,膵胆管合流異常における胆嚢癌の発生・進展形式を考える上で興味深い症例と考えられた.さらにMRI high b-value拡散強調画像で組織の違いが信号強度に反映され,その有用性が示唆された.