抄録
肝内結石症は,比較的頻度の少ない結石症であるが,成因は不明であり,難治性で再発頻度の多い疾患である.肝内結石については,厚労省難治性疾患克服研究事業の一つとして成因,治療方針などの調査研究が続けられている一方で,日本消化器病学会編集による胆石症診療ガイドラインの中でも取り扱われており,治療方針等の指針が示されている.今回,協力のえられた全国25施設にアンケート調査を行い,2年間で210例の新規症例を集積することができた.過去2回行った調査と比較した結果,肝内結石症の背景として,胆道系の手術既往例が過半を占め,かつ,小腸バルーン内視鏡を用いた経十二指腸的なアプローチ症例が増加していることが判明した.この治療法は,胆石症診療ガイドライン中の治療選択に含まれていない方法であり,同ガイドライン改訂時に,考慮する必要性があると考えられた.