抄録
内視鏡手術が驚異的な進化を遂げながら普及している今日においても上部胆道癌の切除を腹腔鏡下に行うことは困難で,未だ内視鏡手術を拒絶している最後の領域の1つである.術前進展度診断に限界があり,手術手技の煩雑さや胆道再建の困難さ,血管浸潤の有無や切除断端の確保など手技的にも腫瘍学的にも多くの問題がある.肝門部胆管癌に対する腹腔鏡の利用は審査内視鏡から始まり,腹腔鏡下門脈結紮術,さらには腹腔鏡の拡大視効果や多彩な角度からの視野が得られることにより,腹腔鏡下切除,ロボット支援手術へと進化の階段をゆっくりと昇り始めたところである.比較的早期の症例を厳選することによって良好な結果を得られたとの報告も散見され,将来的にはロボット支援手術も含めた内視鏡手術が上部胆道癌手術の1つの選択肢として認知されると考えられる.