抄録
症例は60歳代,女性.心窩部痛を主訴に近医を受診.CTでは胆道・膵に著変を認めなかった.MRCPで下部胆管にノッチ状狭窄が認められたが胆管拡張は認めなかった.ERCPで主乳頭からの造影で下部胆管にノッチ状狭窄と同部位より乳頭側の共通管内から短い腹側膵管が造影されるとともに小透亮像が認められた.副乳頭からの造影で平滑な背側膵管のみ造影された.胆管腔内超音波にて総胆管内小結石と共通管内に隔壁構造が描出された.狭窄部を含め胆管壁の肥厚を認めなかった.以上より膵管非癒合と胆管非拡張型膵・胆管合流異常と診断し,肝外胆管切除術・肝管空腸吻合術を施行した.胆管および胆嚢粘膜に悪性所見を認めなかった.膵管非癒合と膵・胆管合流異常の合併は非常に稀であり検索した限り9例のみで特に胆管非拡張例は1例のみであった.ERCPと胆管腔内超音波が診断に有用であった.稀な病態であり症例の蓄積と長期的な経過観察が必要と考える.