胆道
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症例報告
限局性肝転移を同時切除するも予後不良であった胆嚢原発神経内分泌癌の1例
岡田 健司郎首藤 毅中井 志郎小林 弘典江口 紀章山本 隆一嶋本 文雄
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キーワード: 胆嚢, 神経内分泌癌, 肝転移
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2015 年 29 巻 2 号 p. 254-260

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抄録
症例は71歳,女性.右季肋部痛を時々自覚していたため,近医にて腹部超音波検査施行したところ,胆嚢腫瘤と肝腫瘤を指摘され当科紹介となった.腹部超音波・CT・MRI検査にて胆嚢癌,限局性肝転移と診断し,肝中央2区域(S4+5+8)切除,肝外胆管切除,リンパ節郭清を施行した.病理組織学的検査にて小型で異型度の強い細胞が胆嚢,肝に広範囲に索状,胞巣状,ロゼット形成して増生し,免疫染色にてSynaptophysinが陽性,Ki-67指数は95%であり,神経内分泌癌Small cell NECと診断した.No. 12b, No. 13aリンパ節に転移を認めた.術後3カ月後の腹部CT検査にて多発肝転移出現し,4カ月後に原病死した.胆嚢原発の神経内分泌癌は予後不良であり,治療としては外科切除に加えて,術前術後の補助化学療法を含めた集学的治療が必須であると考える.
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© 2015 日本胆道学会
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