2015 年 29 巻 4 号 p. 752-761
ERCPは開発以来約50年を経て,今なお,胆膵内視鏡手技の中核に位置している.その基本的手技の1つが選択的胆管挿管であり,必須の方法である.胆管造影の開発当初よりこれまでに様々な報告がみられるが,いまだ完璧な方法は存在しない.なかでも,造影用カテーテルによる選択的胆管挿管は基本的で重要な方法であるが,2000年初頭より欧米を中心にwire-guided cannulationが普及している.選択的胆管挿管に際しては,様々な方法を駆使しながら,安全で正確な,しかも効率的な方法が求められる.本稿では選択的胆管挿管法の変遷と現状について,経乳頭的アプローチ法を中心に概説する.