胆道
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総説
東京ガイドライン2013(TG13)による急性胆管炎・胆嚢炎診療
三浦 文彦佐野 圭二天野 穂高吉田 雅博高田 忠敬
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2015 年 29 巻 4 号 p. 762-768

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抄録

2013年1月に日本語版と国際版共通の急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドライン改訂版Tokyo Guidelines 2013(以下TG13)が出版された.要点,注意するべき点および新たなevidenceについて概説した.急性胆管炎については,診断基準から腹痛が除かれ,中等症の判定基準に具体的な項目が設定されたため初診時の判定が可能となった.急性胆嚢炎については,診断基準で画像所見が必須になった.急性胆嚢炎に対する早期の腹腔鏡下胆嚢摘出術の有用性を示すevidenceは多いが,中等症に対する有用性と待機手術の至適時期は明らかになっていないため,注意が必要である.医療関連感染では耐性菌の検出率が高いが,胆管ステント留置例に発症した急性胆管炎・胆嚢炎は医療関連感染として扱うべきである.

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© 2015 日本胆道学会
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