抄録
症例は75歳,男性.閉塞性黄疸を指摘され前医にて精査,内視鏡的胆道ドレナージの後,当院へ紹介となった.腹部CTにて中部胆管から胆嚢頚部に乳頭状病変を認め,生検では低分化腺癌であった.中部胆管癌の診断で,肝外胆管切除術・胆嚢摘出術・リンパ節郭清を施行した.肉眼的に腫瘍は,胆嚢管を主座とし,中部胆管に及ぶ48mm大の乳頭膨脹型病変で,組織学的には,充実性~乳頭状構造を呈して増殖する腫瘍で,一部で腺腔形成成分も認めた.大半の腫瘍細胞は淡明な胞体を有し,胆嚢管原発明細胞癌(clear cell carcinoma)と診断した.術後10カ月で肝転移再発を認め,化学療法(GEM+CDDP)を施行した.治療の奏効,病変の縮小が維持されていたため,術後1年6カ月後に肝病変を切除した.胆嚢管・肝外胆管原発明細胞癌の報告はこれまで7例と非常にまれであり,化学療法を施行した症例の報告はない.本症例は,貴重な症例と考え報告する.