抄録
胆道内圧測定による乳頭部機能評価に始まり,胆汁細胞診による肝グラフト急性拒絶診断,腹腔鏡下胆嚢摘出術,門脈塞栓術,などに関する臨床研究をした後,獨協医科大学第二外科において胆道系悪性腫瘍の治療に専念してきた.胆道癌症例355例を切除した結果,5年生存率,無再発生存率は,肝内胆管癌17%,14%,肝門部領域胆管癌31.2%,30.9%,遠位胆管癌50.1%,41.8%,ファーター乳頭部癌87.7%,60.2%,胆嚢癌53.6%,47.5%という成績を得た.胆管内乳頭状腫瘍(IPNB)と肝粘液性嚢胞性腫瘍の病態を明らかにし,予後良好な疾患であることを報告した.しかし,IPNBと乳頭型胆管癌との鑑別は明確ではなく,IPNBの定義など,さらに検討していく必要がある.