抄録
遠位胆管癌においてリンパ節を適正評価するためには10個以上のリンパ節を検索する必要がある.これ以下の個数ではstage migrationが生じ,pN1症例をpN0と扱う可能性が生じる.リンパ節の総検索個数は郭清強度や標本からのリンパ節採取の努力などに規定される.部位別の評価と総検索個数の関係をみると,胃周囲や大動脈周囲リンパ節をサンプリングした場合は検索個数が増加する.しかし,これらのリンパ節は遠隔リンパ節であり,転移頻度も比較的低い.領域リンパ節の中では総肝動脈周囲リンパ節と同程度の転移頻度を有する上腸間膜動脈周囲リンパ節の検索個数が重要である.しかし,同部位の検索個数は1個程度と少なく,系統的に郭清することで個数増加に貢献できると考えられる.そのためには,下膵十二指腸動脈+第一空腸動脈の根部切離による空腸間膜初部の切除に加え,Treitz靭帯近傍の上腸間膜動脈左側リンパ節を郭清することが有用であると考えている.