抄録
〔目的〕本研究では外出頻度に着目し,3 mジグザグ歩行テストが高齢者の外出に必要な歩行能力を評価する指標として有用であるかを検討した.〔対象と方法〕対象は医療施設にて通院中の65歳以上の高齢者30名である.対象者を2群に分類し,3 mジグザグ歩行テスト,TUG,10 m歩行テストを独立変数として,多重ロジスティック回帰分析,さらに,2群の歩行速度のROC曲線から,3 mジグザグ歩行テストの最も有効な統計学的カットオフ値を算出した.〔結果〕外出頻度に影響する変数として,3 mジグザグ歩行テストが選択された.ROC曲線から3 mジグザグ歩行テストの最も有効な統計学的カットオフ値は11.1秒と判断された.〔結語〕カットオフ値を堺として外出歩行能力を有しているか否かの判別ができる可能性が示唆された.