2016 年 30 巻 5 号 p. 821-827
胆石性膵炎に対する内視鏡治療の有用性と適応を明らかにするために,当院で内視鏡治療を行った胆石性膵炎28例の背景因子と治療成績を解析した.内視鏡治療時に11例で乳頭部に結石が嵌頓しており,このうち6例にprecutを行い,嵌頓結石を除去した.非嵌頓例においても1例で胆管挿管困難であったためprecutを行った.総胆管結石/胆泥を認めた23例のうち1回の内視鏡処置で完全除去できたのは12例,2回施行したのは7例,高齢/全身状態不良で胆管ステント留置で治療終了となったのが4例であった.残り5例は,内視鏡治療時に結石を認めず,排石後と考えられた.結石嵌頓例は11例中9例が軽症膵炎であったが,非嵌頓例と比較して強度腹痛例が多く,早期に内視鏡治療が施行されていた.内視鏡治療後は速やかに腹痛および膵炎は改善していた.軽症膵炎でも結石嵌頓例では腹痛が強く,precutによる治療が有効であると考えられた.